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前置きをすっ飛ばして、Hollywood Strings(以下HS)とHollywood Strings 2(以下HS2)を聴き比べたい方はこちら。
■ 前置き
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現在、ハリオケを使って組曲を作ってるのですが、どうもHSに馴染めないんですよ。確かに壮大で荘厳ではあるけど、なんかもっさりしてる。特にレガート。
それと、手前に来てくれない。木管や金管と比べると、距離が遠いというか。マイクポジションを替えてみたりもしたけど、なんかちがう。
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で、注目したのがHS2。室内楽向けの小編成ライブラリで、1st VLx6、2nd VL、VA、VCx4、DBx3の21人編成。これをフルオケの弦セクションとして使えないか? というお話。
打ち込みの場合、何人編成かは大した問題ではなく、要は「どう聞こえるか」「自分のイメージに合うか」だと思うんですね。そんなわけで、HS2に興味を持った次第です。
YouTubeのレビュー動画を見ると、HS2それ自体はかなり自由度が高い印象。HSのもっさり感がまったく感じられない。速いパッセージも遅いパッセージもなんでもござれ。レガートもきれい。
普通に室内楽やるなら、申し分ない完成度。マイクポジションやリバーブをいじれば、ロックやポップスでも使えそう。
でも僕がやりたいことは、フルオケの弦セクションとしてHS2を使うこと。購入に当たって唯一の迷いは「他のセクションと馴染んでくれるのか?」という1点のみ。
購入の決定打になったのはこの動画。「HS2は室内楽だけじゃなくフルオケとしても使えるよ」といった内容(たぶん)で、僕の背中をドドンと押してくれました。
まあ、HSと比べて厚みが減るのは否めないけど、その辺はマイクポジションをいじるなり、リバーブで調整するなり、工夫の余地はあるんじゃないかなと。
そもそも「厚み」ってオーケストラ全体で出すものであり、別にストリングスの仕事ではないですし。まあ、ストリングスの編成が大きければ大きいほど、厚みは手っ取り早く出せはしますけどね。
■ 聴き比べ
というわけで、先日完成したばかりの曲で聴き比べ。
まずはHS。マイクポジションは、ミッドマイクのみ。
レガートがとても美しい。しかし、手前に来ない。良く言えば奥ゆかしい。悪く言えば引っ込み思案。
続いてHS2。こちらもマイクポジションは、ミッドマイクのみ。21人編成という前知識がなければ、普通にフルオケ編成のストリングスに聞こえる。
なお、曲をHS2用に微調整している間にいろいろ不満点が見え、多少修正してあります。
いかがでしょうか? 「HSの方がいい」という意見の方が多いのかな?(笑) でも個人的にはHS2の圧勝! なんというか、弦に存在感が増した感じ。
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ちなみに今回はストリングス主体の曲を聴き比べましたが、近々公開予定の「序曲」もストリングスをHS2に差し替えました。なかなか良かったですよ! うん、買って良かった! 正式団員決定!
今後、ハリオケは、HS2を弦セクションとして構成しようと思います。
■ 各奏法
・トリル

トリルについては、事前情報がまったく掴めなかったので気になってました。で、真っ先に確認したところ、どこにも見当たらない! HSは、エフェクトカテゴリに鎮座しているのですが……。

他のプリセットから察するに、どうやら手動でトリルを打つ必要があるみたい。
えー、でも集合体であるストリングスでそれをやっちゃうと、不自然極まりない結果になるのでは? 全員のトリルが完全に一致するなんて、現実ではありえないし。
ほら言わんこっちゃない。なにこのポンコツトリル(笑)
プリセット名 : 1st Violins Playable Run Trill
ところが、トリルに特化したプリセットを使うとこんな感じに! ずいぶん自然だけど、上記画像のようなノート情報を感知してトリルのサンプルを再生してるのかな? うーん、謎の技術。
このプリセット、Runというワードが含まれているだけあって、スケールランが生き生きとしてます。
他のプリセットでもランできるけど、ちょっと機械的な印象。
・ビブラート
プリセット名 : 1st Violins Leg Slur Molto
通常のビブラートより、さらに激しいビブラートを使えるプリセット。これは期待。
あれ? 意外と普通(笑)
が、他のプリセットだと、ほとんどビブラートがわからないので、消去法的に「1st Violins Leg Slur Molto」をメインに使うことしました。
・デタシェ
プリセット名 : 1st Violins Detache RR
理想としてはダウンボウとアップボウが交互に、且つそれぞれのラウンドロビンを再生してほしいのですが、どうやら理想通りのようです。
ちなみにこちらは、同じフレーズを普通のサスティーンプリセットで鳴らしたバージョン。明らかにちがいますよね。
■ おまけ
1st violinのプリセットの説明をChat-GPTに訳してもらいました。ご参考まで。
- Long
1st Violins Detache RR
CC11(エクスプレッション)とベロシティが全体の音量を制御します。
1st Violins Stac Sus
・ベロシティが音量と、3段階のスタッカート(Staccato RR×10)のダイナミクスを制御します。
・CC11(エクスプレッション)が4段階のサスティン(Sustain)のダイナミクスをクロスフェードし、全体の音量を制御します。
・CC1(モジュレーションホイール)が、ノンビブラート(Non Vibrato)とビブラート(Vibrato)をクロスフェードします。
1st Violins Sus Exp
CC11(エクスプレッション)が、3段階のエクスプレッシブ・サスティン(Sustain Expressive)のダイナミクスをクロスフェードし、全体の音量を制御します。
1st Violins Sus Full
・CC11(エクスプレッション)が、4段階のサスティン(Sustain)のダイナミクスをクロスフェードし、全体の音量を制御します。
・CC1(モジュレーションホイール)が、ノンビブラート(Non Vibrato)とビブラート(Vibrato)をクロスフェードします。
1st Violins Sus Full Rep
・CC11(エクスプレッション)が、4段階のサスティン(Sustain)とレガート・リピティション(Legato Repetition)アーティキュレーションのダイナミクスをクロスフェードし、全体の音量を制御します。
・CC1(モジュレーションホイール)が、ノンビブラート(Non Vibrato)とビブラート(Vibrato)のクロスフェードを制御します。
・同じ音を100ms以上の間隔で弾くとサスティン・アーティキュレーションが発動し、100ms未満の間隔で弾くとレガート・リピティション・アーティキュレーションが発動します。
1st Violins Sus Molto
・CC11(エクスプレッション)が、最大4段階のサスティン(Sustain)のダイナミクスをクロスフェードし、全体の音量を制御します。
・CC1(モジュレーションホイール)が、ノンビブラート(Non Vibrato)、ビブラート(Vibrato)、モルト・ビブラート(Molto Vibrato)をクロスフェードします。
- Short
1st Violins Col Legno RRx6
・ベロシティが、コル・レーニョ(Col Legno)の3段階のダイナミクスを制御します。
・CC11(エクスプレッション)とベロシティが全体の音量を制御します。
1st Violins Marcato Accent
・ベロシティが、マルカート(Marcato)とスピッカート(Spiccato)の3段階のダイナミクスを制御します。
・CC11(エクスプレッション)とベロシティが全体の音量を制御します。
・ラウンドロビン(RR×6)により、繰り返しの演奏時の機械的な不自然さを防ぎます。
1st Violins Marcato RRx6
・ベロシティが、マルカート(Marcato)の3段階のダイナミクスを制御します。
・CC11(エクスプレッション)とベロシティが全体の音量を制御します。
・ラウンドロビン(RR×6)により、繰り返しの演奏時の機械的な不自然さを防ぎます。
1st Violins Pizzicato RRx6
・ベロシティが、ピチカート(Pizzicato)の3段階のダイナミクスを制御します。
・CC11(エクスプレッション)とベロシティが全体の音量を制御します。
・ラウンドロビン(RR×6)により、繰り返しの演奏時の機械的な不自然さを防ぎます。
1st Violins Shorts MOD
・ベロシティが、各アーティキュレーションの3段階のダイナミクスを制御します。
・CC11(エクスプレッション)とベロシティが全体の音量を制御します。
・CC1(モジュレーションホイール)が、アーティキュレーションを選択します:スピッカート(Spiccato RR×10)(0-20)。
1st Violins Spiccato RRx10
・ベロシティが、スピッカート(Spiccato)の3段階のダイナミクスを制御します。
・CC11(エクスプレッション)とベロシティが全体の音量を制御します。
・ラウンドロビン(RR×10)により、繰り返しの演奏時の機械的な不自然さを防ぎます。
1st Violins Stac Slur RRx6
・レガート(connected)で演奏すると、スタッカート・スラー(Staccato Slur RR×6)アーティキュレーションが発動します。
・非レガート(disconnected)で演奏すると、通常のスタッカート(Staccato RR×6)アーティキュレーションが発動します。
・ベロシティが、スタッカートおよびスタッカート・スラーの2段階のダイナミクスを制御します。
・CC11(エクスプレッション)が全体の音量を制御します。
1st Violins Staccato RRx10
・ベロシティが、スタッカート(Staccato)の3段階のダイナミクスを制御します。
・CC11(エクスプレッション)とベロシティが全体の音量を制御します。
・ラウンドロビン(RR×10)により、繰り返しの演奏時の機械的な不自然さを防ぎます。
1st Violins Staccato Runs Dn
・ベロシティが、スタッカート・ラン・ダウン(Staccato Runs Down)の2段階のダイナミクスを制御します。
・CC11(エクスプレッション)が全体の音量を制御します。
・RR×6(ラウンドロビン)により、繰り返し演奏時の機械的な不自然さを防ぎます。
1st Violins Staccato Runs Up
・ベロシティが、スタッカート・ラン・アップ(Staccato Runs Up)の2段階のダイナミクスを制御します。
・CC11(エクスプレッション)が全体の音量を制御します。
・RR×6(ラウンドロビン)により、繰り返し演奏時の機械的な不自然さを防ぎます。
- Effects
1st Violins Flautando
CC11(エクスプレッション)が、フラウタンド(Flautando)の2段階のダイナミクスをクロスフェードし、全体の音量を制御します。
1st Violins Harmonics
CC11(エクスプレッション)が、ハーモニクス(Harmonics)の2段階のダイナミクスをクロスフェードし、全体の音量を制御します。
1st Violins Tremolo
CC11(エクスプレッション)が、トレモロ(Tremolo)の3段階のダイナミクスをクロスフェードし、全体の音量を制御します。
- Legato
1st Violins Leg ALL VS
・レガート演奏(Legato)
音を滑らかに繋げて演奏する(どちらの方向でも)と、レガートアーティキュレーションが発動し、サスティンアーティキュレーションへ自然にフェードします。
・ベロシティで切り替わるレガートの種類
演奏のベロシティ値に応じて、どのレガートアーティキュレーションが使用されるかが決まります:
Legato Bow Change (101-127): 弓を切り替えるレガート
Legato Slur (51-100): 音を滑らかに繋ぐレガート
Legato Portamento (1-50): ポルタメント(音を滑らかに移動)
・非レガート演奏(Non-legato)
音を繋げずに演奏すると、サスティンアーティキュレーションが発動します。
・同じ音を繰り返す場合
同じ音を100ミリ秒以上の間隔で繰り返すと、サスティンアーティキュレーションが発動。
100ミリ秒未満の間隔で繰り返すと、レガートリピティションアーティキュレーション(Legato Repetition)が発動。
< MIDIコントロール >
・CC1 (Mod Wheel):
ノンビブラートとビブラートの間をクロスフェード。
・CC11 (Expression):
サスティンとレガートリピティションの4段階のダイナミクス間をクロスフェードし、全体の音量も調整。
1st Violins Leg BC
・レガート演奏(Legato)
音を滑らかに繋げて演奏すると、Legato Bow Change(弓を切り替えるレガート)アーティキュレーションが発動し、サスティンアーティキュレーションへフェードします。
・非レガート演奏(Non-legato)
音を繋げずに演奏すると、サスティンアーティキュレーションが発動します。
< MIDIコントロール >
・CC11 (Expression):
サスティンアーティキュレーションの4段階のダイナミクス間をクロスフェードします。
・CC1 (Mod Wheel):
サスティンアーティキュレーションのノンビブラートとビブラートの間をクロスフェードします。
1st Violins Leg Slur
・レガート演奏(Legato)
音を滑らかに繋げて演奏すると、Legato Slur(滑らかなレガート)アーティキュレーションが発動し、サスティンアーティキュレーションへフェードします。
・非レガート演奏(Non-legato)
音を繋げずに演奏すると、サスティンアーティキュレーションが発動します。
< MIDIコントロール >
・CC11 (Expression):
サスティンアーティキュレーションの4段階のダイナミクス間をクロスフェードします。
・CC1 (Mod Wheel):
サスティンアーティキュレーションのノンビブラートとビブラートの間をクロスフェードします。
1st Violins Leg Slur Exp
・レガート演奏(Legato)
音を滑らかに繋げて演奏すると、Legato Slur(滑らかなレガート)アーティキュレーションが発動し、サスティンエクスプレッシブ(Sustain Expressive)アーティキュレーションへフェードします。
・非レガート演奏(Non-legato)
音を繋げずに演奏すると、サスティンエクスプレッシブ(Sustain Expressive)アーティキュレーションが発動します。
< MIDIコントロール >
・CC11 (Expression):
サスティンエクスプレッシブアーティキュレーションの3段階のダイナミクス間をクロスフェードします。
1st Violins Leg Slur Molto
・レガート演奏(Legato)
音を滑らかに繋げて演奏すると、Legato Slur(滑らかなレガート)アーティキュレーションが発動し、サスティンアーティキュレーションへフェードします。
・非レガート演奏(Non-legato)
音を繋げずに演奏すると、サスティンアーティキュレーションが発動します。
< MIDIコントロール >
・CC11 (Expression):
サスティンアーティキュレーションの最大4段階のダイナミクス間をクロスフェードします。
・CC1 (Mod Wheel):
サスティンアーティキュレーションのノンビブラート、ビブラート、モルトビブラート(強いビブラート)の間をクロスフェードします。
1st Violins Leg Slur Rep
・レガート演奏(Legato)
音を滑らかに繋げて演奏すると、Legato Slur(滑らかなレガート)アーティキュレーションが発動し、サスティンアーティキュレーションへフェードします。
・非レガート演奏(Non-legato)
音を繋げずに演奏すると、サスティンアーティキュレーションが発動します。
・同じ音を繰り返す場合
100ミリ秒以上の間隔で同じ音を繰り返すと、サスティンアーティキュレーションが発動します。
100ミリ秒未満の間隔で同じ音を繰り返すと、Legato Repetition(レガートの繰り返し)アーティキュレーションが発動します。
< MIDIコントロール >
・CC1 (Mod Wheel):
サスティンアーティキュレーションのノンビブラートとビブラートの間をクロスフェードします。
・CC11 (Expression):
サスティンおよびレガートリピティションアーティキュレーションの4段階のダイナミクス間をクロスフェードし、全体の音量もコントロールします。
1st Violins Playable Run Trill
・レガート演奏(Legato)
- 半音(最大3セミトーン)の範囲でレガート演奏すると、Trills HT RR×3(半音のトリル)が再生されます。
- 全音(最大3セミトーン)の範囲で演奏すると、Trills WT RR×3(全音のトリル)が再生されます。
- 3度(最大3セミトーン)で演奏すると、Trills 3rd RR×3(3度のトリル)が再生されます。
- 3セミトーン以上の範囲で演奏すると、Legato Bow Change(弓を切り替えるレガート)が再生されます。
- どちらの場合も、接続されたアーティキュレーションはサスティンアーティキュレーションにフェードします。
・非レガート演奏(Non-legato)
音を繋げずに演奏すると、サスティンアーティキュレーションが発動します。
< MIDIコントロール >
・CC11 (Expression):
トリルアーティキュレーションの2段階のダイナミクス、およびサスティンアーティキュレーションの4段階のダイナミクス間をクロスフェードします。
・CC1 (Mod Wheel):
サスティンアーティキュレーションのノンビブラートとビブラートの間をクロスフェードします。
1st Violins Portamento
・レガート演奏(Legato)
音を滑らかに繋げて演奏すると、Legato Portamento(ポルタメント)アーティキュレーションが発動し、サスティンアーティキュレーションへフェードします。
・非レガート演奏(Non-legato)
音を繋げずに演奏すると、サスティンアーティキュレーションが発動します。
< MIDIコントロール >
・CC11 (Expression):
サスティンアーティキュレーションの4段階のダイナミクス間をクロスフェードします。
・CC1 (Mod Wheel):
サスティンアーティキュレーションのノンビブラートとビブラートの間をクロスフェードします。