今週の音楽「組曲「Q」第5曲」はいかが?
Space Designer
 台本チェック。今回はオーケストラ編成なのでちょっと大変かも。でも、今時の編成よりはグッと小さいので何とか行けそうです。
 さて、今回の制作では、ちょっとした実験をしてみようと思ってます。
 まず、「Space Designer」(以下SD)について。サンプリングリバーブだけあって、非常にリアルな残響を得られますね。いや、「残響を得る」というよりは、空間をシミュレートする用途の方が多いかもしれませんね。僕もそういった用途で多用してます。
 しかし、その一方で時々違和感が生まれます。例えば奥行きのシミュレート。遠くに位置するパートを表現する場合、ボリュームを下げリバーブを深めることになりますが、シミュレートする空間が大きくなればなるほど不自然になります。
 一般的に、空間の大きさと残響時間は比例しますね。パートを遠ざけるためには原音を減らさなければなりませんが、それを意識してリバーブを深めるとリバーブの量と奥行きに矛盾が生じるのです。だから奥行きは大して出ず、リバーブ成分ばかりが変に目立つ結果になってしまう。
 音楽制作において空間をシミュレートする場合、普通はマイクやリスナーの位置を基点にしますよね。ところがサンプリングリバーブは「インパルスレスポンス(以下IR)の取得位置=奏者の位置」なのではないか? と気付く。
 SDの中には、ホールの客席を基点にしたプリセットがありますが、客席で得たIRは、その位置で出した音に対する反響の結果。そのようなIRで他方から聞こえてくる音をシミュレートできるはずがない。よってこれも「奏者の位置」。
 長くなりましたが、ここで本題。どうも空間のシミュレートと奥行きの表現は別問題っぽい。そこで、「IRの取得位置=奏者の位置」という仮定に基づき、SDを2つ使用してみることにしました。
 1つ目(以下SD1)はマイク、またはリスナーから奏者までの距離用。2つ目(以下SD2)は空間のシミュレート用
 距離感を出すのに重要なのはSD1。プレート系のプリセット(例えばliving room等)を使用。SD2は、ソロなら小ホール、アンサンブルなら中ホール、オーケストラなら大ホール等、曲調によって変えることになります。
 こういう使い方をすれば、SD2は奏者の位置に固定されるので、本来のサンプリングリバーブの威力が発揮されるのでは……と。
 例えば、オーケストラの場合、ベストポジションと言われている指揮台と客席の一番後ろでは聞こえ方が大きく異なります。指揮台では奏者(原音)との距離が近いので、結果的に残響よりも原音の方が強い。一方、一番後ろの席では原音が少ない。しかし「どこを基点にするのかはSD1次第であり、いずれにしてもSD2の量は変わらない」と考えて良いのではないか? 極論ですが。
 と言うわけで、僕は難しい言葉はわかりませんが、これって要は「一次反射」とそれ以降のいわゆる「残響」の関係なんですかね? とにかくこの仮説でしばらくやってみて、時間が空いたら公開用にアンサンブルでもつくってみようと思います。

11/8/2007 21:31 note tips

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