ようこそSample Modeling「The Cello」
同社にとってビオラに続く弦音源ですが、最近管楽器をメインに開発してるメーカーが弦楽器に移行してますね。Chris Heinなんかもそうですし。「管楽器はやりきったんだぜ!」ってな感じなんですかね。
いずれにしても、弦楽器の選択肢が増えるのは嬉しいです。特にソロ弦とかソロ弦とかソロ弦とか。
さてSample Modelingの「The Cello」ですが、公式のデモ曲を聴いて一目惚れ、もとい一耳惚れ。レガートとポルタメントの滑らかさと言ったら!
一瞬「ネットから本体をDLするタイプなのか?」と思いましたが、そういうわけでもなくものの2秒でインストール終了。
出音は素直な印象。そしてレスポンスがいい! 曲調にもよりますが、Embertoneのようなモタりはほぼなし。
実用的な例を挙げると、例えば最低音のGを3弦で鳴らすか、4弦で鳴らすか指定できるわけですね。
3弦だと物理的にビブラートをかけられないから4弦を使ったり、開放弦を活かしたいから3弦を使ったり。そんなような使い分けがオートメーションで臨機応変。
が、このAltFing、実は面白くもあり厄介でもあり……。それが以下。
使用してみて、まず始めにポルタメントで壁にブチ当たったのです。なぜか2本の弦に跨ってしまう時がある。
物理的に不可能な指定をしてるのかな? 最初はそう思ったのですが、運指を確認してみるとそんなことはなく……。
仮に物理的に不可能だとしても、生楽器じゃないんだから融通を利かせてくれてもいいじゃないか(笑)
「そんな奏法があるのか!」と思いきや、ググってもそれらしき情報は得られず。そりゃそうだ、滑らかさを犠牲にしてまで弦を分けるメリットが思いつかない(笑)
強いて言えば、移動先がハイポジションだったりすると弦の響きが濁ったり、音程の安定性が損なわれたりするのかな? よくわかりませんけど。
反芻すること256回(笑)、何となく解決策が見えてきました。
例えば上行するポルタメントだったら、AltFingで移動先をbridgeに指定すれば良い。逆に下降なら、ヘッド側のNut+Openを指定。ちょっと試した限りでは、上手くいきました。
が、常に運指を意識しなきゃならないので、ちょっと面倒臭い。他に良い方法はないものか?
そこで、こんな項目を発見。Split Portamentoの設定らしい。
ここを上手いこといじれば、前記の手続きは必要なくなるかも?
Garritan Stradivariのように最低音から最高音までの超絶ポルタメントも可能かも?(笑)
しかしその期待虚しく、最大にしても最小にしても跨る時は跨ってしまいました💧 仕様として、極力デフォルトのフィンガーポジションに戻ろうとするのかもしれませんね。
ちなみにポルタメントの移行速度は、デフォルトだと行き先のノートのベロシティでコントロール可能。
Embertoneと同様の仕様ですが、Sample Modelingの方が指定できる速度の幅が広い。めっちゃゆっくり移行させることもできる。しかも滑ら〜か。
と、ベタ褒めですが、不満点もあります。
まず、アタック音が弱い。ff止まりといった感じ。まあ、普通に使う分には問題ないですが、ここぞという時にfff、いやそれ以上の攻撃力が欲しいじゃないですか。
ちなみにBlakus Celloには、ベロシティ125(確か)以上に強烈なアタック音が収録されてます。普段は使用することはないのですが、時として強烈なアタック音が必要になるんです。
話をThe Celloに戻します。ビブラートもちょっと物足りません。アタック音同様、通常は現状で事足りますが、時としてCC127を超越した情熱が欲しくなるのです。
というわけで、The Cello。物理音源なんだからもっと自由度がほしかったです。
まあ、Sample Modelingはその名の通り完全な物理音源ではなく、サンプリング音源との「いいとこ取り」のようですが。それ故に、縛りが発生してしまったのかな?
現在、僕はSample Modelingの音源に惚れ込んでいて、全ライブラリの一気買いを企んでいます(笑) なのでこのThe Celloには、さらなる改良を期待せずにはいられません!
ダラダラと綴りましたが、The Celloのまとめをば。
- 長所
- 短所