今週の音楽「組曲「Q」第4曲」はいかが?
ようこそSample Modeling「The Cello」
 Sample Modelingからチェロ音源が発売されたので、飛びつきました(笑)
 同社にとってビオラに続く弦音源ですが、最近管楽器をメインに開発してるメーカーが弦楽器に移行してますね。Chris Heinなんかもそうですし。「管楽器はやりきったんだぜ!」ってな感じなんですかね。
 いずれにしても、弦楽器の選択肢が増えるのは嬉しいです。特にソロ弦とかソロ弦とかソロ弦とか。

 さてSample Modelingの「The Cello」ですが、公式のデモ曲を聴いて一目惚れ、もとい一耳惚れ。レガートとポルタメントの滑らかさと言ったら!

 で、ポチったわけなんですが、ファイルサイズはたったの12.6MB(笑)
 一瞬「ネットから本体をDLするタイプなのか?」と思いましたが、そういうわけでもなくものの2秒でインストール終了。

 起動すると、まず「エクスプレッションの信号がきとらんがな!」と怒られる。なので、とりあえず適当な数値を送る。

 出音は素直な印象。そしてレスポンスがいい! 曲調にもよりますが、Embertoneのようなモタりはほぼなし

 面白いのは、AltFing。デフォルトのフィンガーポジションをヘッド側にするのかブリッジ側にするのか、はたまた真ん中にするかの設定。
 実用的な例を挙げると、例えば最低音のGを3弦で鳴らすか、4弦で鳴らすか指定できるわけですね。
 3弦だと物理的にビブラートをかけられないから4弦を使ったり、開放弦を活かしたいから3弦を使ったり。そんなような使い分けがオートメーションで臨機応変。
 が、このAltFing、実は面白くもあり厄介でもあり……。それが以下。

 使用してみて、まず始めにポルタメントで壁にブチ当たったのです。なぜか2本の弦に跨ってしまう時がある
 物理的に不可能な指定をしてるのかな? 最初はそう思ったのですが、運指を確認してみるとそんなことはなく……。
 仮に物理的に不可能だとしても、生楽器じゃないんだから融通を利かせてくれてもいいじゃないか(笑)

 などとブツブツ言いながらマニュアルを開くと、「Split Portamento」なる言葉が。
 「そんな奏法があるのか!」と思いきや、ググってもそれらしき情報は得られず。そりゃそうだ、滑らかさを犠牲にしてまで弦を分けるメリットが思いつかない(笑)
 強いて言えば、移動先がハイポジションだったりすると弦の響きが濁ったり、音程の安定性が損なわれたりするのかな? よくわかりませんけど。

 で、マニュアルを読み進めると「How to avoid split portamento」なる文言が。なるほど、ちゃんと回避する方法が用意されてるわけですね。

 反芻すること256回(笑)、何となく解決策が見えてきました。
 例えば上行するポルタメントだったら、AltFingで移動先をbridgeに指定すれば良い。逆に下降なら、ヘッド側のNut+Openを指定。ちょっと試した限りでは、上手くいきました。
 が、常に運指を意識しなきゃならないので、ちょっと面倒臭い。他に良い方法はないものか?

 そこで、こんな項目を発見。Split Portamentoの設定らしい。
 ここを上手いこといじれば、前記の手続きは必要なくなるかも?
 Garritan Stradivariのように最低音から最高音までの超絶ポルタメントも可能かも?(笑)
 しかしその期待虚しく、最大にしても最小にしても跨る時は跨ってしまいました💧 仕様として、極力デフォルトのフィンガーポジションに戻ろうとするのかもしれませんね。

 ちなみにポルタメントの移行速度は、デフォルトだと行き先のノートのベロシティでコントロール可能。
 Embertoneと同様の仕様ですが、Sample Modelingの方が指定できる速度の幅が広い。めっちゃゆっくり移行させることもできる。しかも滑ら〜か。




 と、ベタ褒めですが、不満点もあります。
 まず、アタック音が弱い。ff止まりといった感じ。まあ、普通に使う分には問題ないですが、ここぞという時にfff、いやそれ以上の攻撃力が欲しいじゃないですか。

 例えばこれ。EmbertoneのBlakus Celloでつくった曲ですが、こういう曲は無理っぽい。
 ちなみにBlakus Celloには、ベロシティ125(確か)以上に強烈なアタック音が収録されてます。普段は使用することはないのですが、時として強烈なアタック音が必要になるんです。

 話をThe Celloに戻します。ビブラートもちょっと物足りません。アタック音同様、通常は現状で事足りますが、時としてCC127を超越した情熱が欲しくなるのです。

 というわけで、The Cello。物理音源なんだからもっと自由度がほしかったです。
 まあ、Sample Modelingはその名の通り完全な物理音源ではなく、サンプリング音源との「いいとこ取り」のようですが。それ故に、縛りが発生してしまったのかな?

 いや、でもこのフルートは素晴らしいですよ? これなら、どんなジャンルにも対応できます。

 現在、僕はSample Modelingの音源に惚れ込んでいて、全ライブラリの一気買いを企んでいます(笑) なのでこのThe Celloには、さらなる改良を期待せずにはいられません!




 ダラダラと綴りましたが、The Celloのまとめをば。
    長所
  • 出音は優等生的
  • レガートが自然、且つきれい
  • ポルタメントが自然、且つ移行速度の指定に幅がある

    • 短所
  • ポルタメントのコントロールに癖がある
  • アタック音が弱い(ff止まり)
  • ビブラートもうちょい強くかけられるようにして!


  •  というわけで、The Celloの試作曲です。そう、先日のチェレスタの試作曲です。実は、The Celloの試作も兼ねていたのです(笑)

     ちなみに先日の試作曲は、EmbertoneのBlakus Celloです。

    7/6/2016 00:19 note library

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