今週の音楽「the curious hotel」はいかが?
フューーーージョーーーーン

 実はここ1〜2年、こっそりとフュージョンにハマっているのですよ。

■ ジャズ

 ここ20年ほどジャズに傾倒してました。「ジャズの作り方がさっぱりわからない」「どうしたらジャズ独特の響きをモノにできるんだろう?」 そんな動機で聴き始めたジャズですが、聴いているうちに不満点がいくつか芽生えました。

□ 透明感がない

 ジャズをオシャレという人がいるけど、僕にとっては真逆。「セピア色」「未舗装の道路」「お腹を壊しそうな濁った水」といったイメージがあります。
 なんかバカにしてるように聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。良く言えばブルースにも通ずる人間味があり、僕も無性に摂取したくなることがあります。あくまでも「透明感は厳しい」というだけです。

□ スタンダードナンバー

 まっっったく興味ないんですよねえ。僕は、各アーティストのオリジナルナンバーが聴きたいのです!

■ フュージョン

 僕はいろんなジャンルの音楽を好みますが、演歌とフュージョンだけは苦手でした。
 僕のフュージョン観を一言で表すと「古めかしい爽やかさ」なのです。天気予報とか、深夜の通販番組、スーパーマーケットのBGMでよく耳にするので「安っぽい爽やかさ」と言い換えても良いです。
 それとフュージョンて、なんだかんだギターが主役じゃないですか。昔からギターがメインのインスト曲が好きじゃないんですよ。特に、ディストーションギターが苦手。
 昔パンクバンドをやっていた人間の言うことではないですが(笑)、歌モノはいいんです。インストが受け付けないだけ。

■ ジャズ・フュージョン

 で、ふと「僕のジャズへの不満て、もしかするとフュージョンが解決してくれるのではないか?」なんて思うようになりました。
 本来ジャズ・フュージョンと呼ばれているだけあり、フュージョンはジャズの発展形。なので僕と似たような考えの人たちが、フュージョンへ流れて行っても不思議ではないです。

■ いざ試聴

 ともあれ、いろいろ聴いてみようと思ったわけです。ただしCASIOPEAだけは聴きたくない。国内のフュージョンと言えばCASIOPEAだったり、T-Squareだったりするわけで、あまりにも王道すぎて食指が動かない。
 なので、それ以外のバンドを片っ端から聴いてみる。ちなみに僕は洋楽があまり好きではないので、国内のバンドを中心に聴いてみました。
 というわけで、いざ試聴。ほうほう、なるほど。聴けば聴くほど、僕のフュージョンへの偏見が正されていくことを実感。が、多くのバンドは、ギターがギュインギュインと目立つばかりで彩がない。それと「古めかしい爽やかさ」は、ほぼ認識通りでした(笑)

■ JIMSAKU

 そんな中、発見したのがJIMSAKU。削ぎ落とされたサウンドがたまらなくカッコいい! なんたってドラムとベースだけですから、文字どおりドラムンベース(笑)
 ただしアルバムやライブでは、ゲストを招いて華やかに演っているらしい。あくまでも、JIMSAKUの正式メンバーがドラムとベースなだけのよう。

 それにしても、笑ってしまうほど超絶技巧。お二人の息がピッタリで驚かされるばかり。特にベースがかっこいい。こうして然るべきスポットを当てると、実はギターよりもベースの方が表情豊かだと思います。
 ちなみにこの動画、一説によると教則DVDらしいですが「こんな演奏を目の当たりにしたら誰もが自信を失ってしまうのでは」と心配になります(笑)

 残念なのは、解散して25年も経っていること。もし25年前の僕がこのバンドと出逢っていたら、まちがいなくベーシストを目指していたと思います。
 ところで、このお二人、一体何者?? 調べてみたら、ベースの櫻井さん、ドラムの神保さん、どちらも元CASIOPEAのメンバーとのこと。そこでようやくCASIOPEAを聴いてみる気になりました。

■ CASIOPEA

 意を決して聴いてみると、なかなかいいじゃないですか! 自分の変な先入観はなんだったんだ!
 キャッチーな曲もあれば、技巧的な曲もあり、どの曲も1回聴いたら頭に残る。CASIOPEAが日本を代表するフュージョンバンドであることがよくわかりました。
 まあ、「古めかしい爽やかさ」は認識通りだったけど(2回目)、80's musicって今や立派な1ジャンルなのでこれはこれでアリ。

 とにかくギター、キーボード、ベース、これら三者のバランスが絶妙。
 ギターは、アコギ、クリーン、クランチ、ディストーションと、いろいろな表情を見せてくれる。しかも見せ場を独占することなく、時にバッキングに徹する。
 ベースもピッキングからフィンガー、スラップ、フレットレスまで多彩。ジャズよりも奏法が多い分、ベースソロも聴き応えがある。
 特に素晴らしかったのはキーボード。一時期、ギターレスバンドを探し回るほど、僕はキーボードサウンドが大好きなんですよ! キーボードこそが、鮮やかさや透明感を表現できる楽器。ジャズにもこのテイストが欲しい!

■ かつしかトリオ

 最後に、かつしかトリオについて。バンド名から昔の漫才グループを彷彿させますが(笑)、フュージョンバンドです。
 しかも元CASIOPEAの向谷さんと櫻井さんと神保さんで結成されたスリーピースバンド。これはもう、JIMSAKUの復活ですよ! そこに向谷さんのカラフルなキーボードが加わるとか最高すぎ!

 ちなみに本日、1stアルバムがリリースされました。個人的に、今一番注目してるバンドです。一通り聴いてましたが、ヘビロテ確定です。ゲストがいない(?)ので、お三方のサウンドをたっぷり愉しめます。

 というわけで、にわかのフュージョン記事でした(笑) 沼ってしまうのはちょっと怖いので、今後もこっそり嗜みたいと思います。

10/25/2023 23:13 note music

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